単身赴任の住民票移動について
単身赴任で以下のような場合、住民票の移動は、義務(必須)ではありません。
- 単身赴任の期間が1年以下の場合
- 週末や季節ごとに元の家に帰っているなど、「生活の本拠(拠点)」が元の家にある場合
しかしながら、住民基本台帳法では、住所が変わった場合、住民票の移動(転入届の提出)は、14日以内に行うことが義務付けられています(住民票の移動(転入届・転居届)の手続きが遅れた場合、過料という最大5万円の罰則を受ける可能性があります。)。
ではなぜ上記のように、住民票の移動が義務ではないケースがあるのでしょうか。
1. 単身赴任の期間が1年以下の場合
国から過去に質疑応答の中で提示された基準、「一年以上継続して生活の本拠が移る場合は転居(または、転出・転入)の届出が必要」が根拠になります。
そのため、単身赴任で一年以上の期間と分かっている場合は、住民票を移した方がいいかもしれません。
また、届出の時期としては、前もって一年以上の単身赴任が予想される場合はその予想される時点で、現時点で一年を経過することが予想できない場合は、一年を経過することが明確になった時点で、届出を行えば、問題は発生しないと想定されます。
2. 週末や季節ごとに帰省し、生活の本拠が元の家にある場合
こちらは、解釈によっては、どんな状況でも住民票を移動しなくてもいい根拠となりそうです。
住民基本台帳法22条と民法22条に、生活の本拠となる住所地で、住民登録を行うことと定められております。そのため、「生活の本拠(拠点)」をどこにするかの判断で、住民票の登録をする、自治体が変わってきます。
例えば、国会議員は、地方に実家があって、月に数回実家に戻りますが、月のほとんどは東京に住んでいます。そんな国会議員のほとんどは住民票を地元に置いています。
さて、そのような国会議員は、14日以上、転入届を出していないので、法律違反になるのでしょうか。いいえ、なりません。
彼らの東京の住所は、出稼ぎの際の仮の住まいであるため、生活の本拠(拠点)とはなりません。そのため、地元に住民票を置いたままでも問題が生じないこととなります。
上記を一般のサラリーマンに当てはめますと、単身赴任先の住居は、あくまで仕事のために単に寝起きする場所であり、基本的には家族が住んでいる住居が生活が中心(生活の本拠)である場合、つまり、月に数回は帰省もして、自分の所有物のほとんどが家族の住んでいる住所にある場合ですと、これは生活の本拠は、家族の住んでいる場所であり、単身赴任先ではないとなり、住民票の移動は不要という判断が可能です。
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