【ニュース】住民票閲覧交付制限、性的虐待児童虐待にも適用へ(DVストーカーに加え)

住民票ニュース

参考

(1)Q.DV・ストーカー被害者の住民票や戸籍を閲覧交付制限する方法を教えて下さい。
(2)Q.住民基本台帳(他人の住民票)の閲覧方法、理由、制限、禁止などを教えて下さい。

概要

DVとストーカーの被害者のみに認められていた、加害者の住民票の閲覧制限等(親や夫が住民票を閲覧できないようにする)が、児童虐待・性的虐待にも2012年10月より拡大されることになりました。

2012年9月現在までは、
(1)ドメスティックバイオレンス(DV、配偶者や恋人からの暴力)
(2)ストーカー
の被害者保護に関しては、2004年の省令改正から裁判所や警察など公的機関による被害証明書を添えての申請を条件に、自治体が加害者に対し、家族を含めた加害者に転居後の住所を知られるのを防ぐための、住民票の閲覧制限や住民票写しの交付を拒否できるようになっていました。

総務省は、2012年10月1日付で地方自治体向けの通達を改正し、家族による住民票閲覧を拒める対象について、
(3)家庭内の児童虐待
(4)家庭内の性的虐待
にも市町村が住民基本台帳の閲覧を拒否できるように制度を拡大し、「被害者側の申し出を受け」、「支援団体や児童相談所などのヒアリングで問題がない」場合は、加害者の申請を拒否する方針を固めました。

現状の問題点

(1)虐待の加害者は、被害者の住民票を閲覧可能な家族であるケースが多かった。
(2)虐待の加害者は、転居した被害者を追跡する目的で、住民票を閲覧・交付申請し、被害者の引越し先を探し出そうとするケース(閲覧制度の悪用)が相次いでいた。
(3)被害者は、転居後も追跡される不安にさらされてきた。
(4)被害者は、転居先を知られるのを恐れ、住民票を移せないために、行政サービス・福祉サービスを受けられない人も少なくなかった。
(5)家庭内の性的虐待は省令に明示されておらず、通達の適用対象かどうかの判断は自治体に任されていた。
(6)性的虐待の被害者は警察への相談をためらう場合が多く、申請をあきらめざるを得ない状況も多かった。
(7)虐待被害者については、総務省通達で、DVやストーカー以外でも「危害を受ける恐れがある」人が、公的証明書を添えて申請すれば、加害者側からの閲覧を拒否できることとなっていましたが、明確な判断基準が明示されておらず、自治体の判断に委ねられ、自治体が被害の確認をするのは難しい現状もあり、基準を「通知で明確にしてほしい」との意見が出ていました。そのため、虐待にも閲覧制限対象を広げている自治体は一部にとどまっていた。
(8)虐待の被害者は未成年が多い上、警察に届け出るケースは少ない。
(9)DVをめぐる自治体の職員の対応ミスで、加害者である夫に被害者の転居先が知られ、被害者が危険にさらされるケースが相次いだ。

制度改正のきっかけ

以下の性的虐待を受けてきた女性の事例が本件の制度改正のきっかけとなっております。

(1)岡山県内で約15年にわたって義父から性的虐待を受けてきた30歳の女性が養父から逃げて転居。
(2)2010年3月、転居先の関係自治体に義父の閲覧制限を求めたが「例がない」と拒否された。
(3)約1カ月かかったが、公的な被害証明書はなかったものの、自治体の聞き取りや民間団体の支援で希望が認められた。
(4)これを受け2012年4月、女性を支援した民間団体「被害者サポートセンターおかやま(VSCO、専務理事:森陽子)が、制度改正を求める要望書を総務省に提出した。
(5)総務省が、2012年10月1日付で地方自治体向けの通達を改正

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