Q.住民基本台帳(他人の住民票)の閲覧方法、理由、制限、禁止などを教えて下さい。

住民基本台帳(他人の住民票)の閲覧方法、理由、制限、禁止など住民票取得
住民基本台帳(他人の住民票)の閲覧方法、理由、制限、禁止など

参考リンク

(1)Q.DV・ストーカー被害者の住民票や戸籍を閲覧交付制限する方法を教えて下さい。
(2)【ニュース】住民票閲覧交付制限、性的虐待児童虐待にも適用へ(DVストーカーに加え)

住民基本台帳(他人の住民票)の閲覧について

住民基本台帳法の一部を改正する法律が平成18年11月1日から施行されました。
そのため現在では、住民基本台帳の一部(住所、氏名、生年月日、性別)の写しの閲覧は、何人でも閲覧を請求できるという「原則公開」の閲覧制度は廃止しされ、個人情報保護に十分留意した、公用・公益性が高いと認められる場合のみに閲覧可能となる制度「原則非公開」として再構築されております。

閲覧することができる場合

1. 国、地方公共団体の機関が法令の定める事務遂行(公用)のために閲覧する場合
2. 統計調査・世論調査・学術研究等の調査研究のうち、公益性が高いと認められるものの対象者を抽出する目的で閲覧する場合
3. 公共的団体が行う地域住民の福祉向上に寄与する活動などで、公益性の高い事業を実施するために閲覧をする場合

閲覧を拒否される場合

1. 閲覧対象の市民を特定しない請求は、公益上必要と認める場合を除き拒否されます。
2. そのほか正当な理由がない閲覧について拒否されます。
3. DVやストーカー被害者など、身体に危害を受けるおそれがある人を保護するため、被害者から申出が提出されている場合は、閲覧台帳から除かれています。


閲覧の手続き

閲覧の手続きは、地方公共団体ごとに異なります。通常以下のようになっております。

閲覧の予約

住民基本台帳法第11条または、第11条の2に定める閲覧に係る閲覧請求または、閲覧申出をする場合には、閲覧しようとする日の30日前~1週間前までに(自治体ごとに異なる)事前に「閲覧申出書」及び「必要書類」の提出(窓口・郵送)を行い、事前審査を行うことが必要です。
また、閲覧に関しては、全員が全員閲覧できるというわけではなく、閲覧の承認・非承認については、閲覧の申出受理後、14日以内に連絡が役所よりあります。閲覧が承認された後に、閲覧日の予約を受けることができる自治体がほとんどです。

閲覧の予約の注意事項

同時に閲覧できる団体が限られていたり、役所の執務の都合などにより、指定日に閲覧ができない場合があります。
また、毎年3月から4月は、転入・転出が多く役所の窓口などが大変混雑するため、同期間については閲覧をお断りしていている役所が多いので注意が必要です。
また、虚偽、不正等の行為があった場合は、以後の閲覧を断られたり、申出者の氏名をHP上で公表されることがあります。

閲覧可能時間帯

役所の営業時間である平日、午前8・9時から午後4・6時が一般的です。

閲覧手数料

300円のみという自治体もあれば、最初の30分について3,700円。その後30分を超えるごとに2,100円を加算する自治体もあります。

閲覧場所

通常役所内の指定された場所であり、資料の持ち出しは出来ない場合がほとんどです。

閲覧のための提出書類

(1)住民基本台帳閲覧請求書(又は閲覧申出書)・・・閲覧者の氏名、利用目的、閲覧したい範囲、閲覧事項の管理、廃棄方法等を明記。法人・団体の場合は、社印(社名印)及び代表者印が必要です。記載内容に不明な点がある場合または、その真実性に疑わしい点があると認めた場合は、必要に応じ請求者または申出者に質問をし、資料の提示を求めること等により、当該閲覧の請求または、申出の理由について確認されることがあります。また、閲覧したい地域・範囲は具体的に記入することが必要です。
(2)誓約書・・・請求者(又は申出者)・閲覧者それぞれの記名・押印(社印等)が必要です。但し、同意書については、閲覧者のみです。
(3)同意書
(4)閲覧する方が本人かどうかを確認できる書類・・・免許証、旅券、保険証等、ただし、国、地方公共団体の職員は、身分を示す証明書または、職員証
(5)委託されている場合は、代理権を確認できる書類・・・閲覧に係る委託契約書の写し等
(6)閲覧目的確認資料・・・調査等の書類・サンプル資料等
(7)法人の場合は、法人登記簿、会社概要その他当該法人の概要を確認できる書類並びに、当該法人個人情報の取得等に対する基本的方針(プライバシーポリシー)に係る書類
※委託による閲覧の場合は、委託会社・受託会社それぞれの法人登記簿、プライバシーポリシー、誓約書が必要になりますのでご注意ください。
(8)閲覧により収集した情報を利用して行おうとする成果物の公表時期及び方法が確認できる書類又はかつて閲覧により収集した情報が使用された成果物
(9)「閲覧事項の管理方法」を審査した結果適正に利用されていることを確認するため、閲覧により収集された情報の利用・管理・廃棄状況がわかる書類

閲覧者の公表

閲覧が行われた場合は、法律で公表を義務付けされている閲覧について、閲覧者の氏名・利用目的等を役所のホームページに年数回公表されることがあります。

不正閲覧への制裁措置

不正な手段による閲覧や、閲覧事項の目的外利用、第三者提供を行った者、させた者は住民基本台帳法の規定により罰則が適用されることがあります。

コメント

  1. 浅井和彦 より:

    閲覧制限はDVなどに限定されるが暴力団被害者には適用されないのでしょうか?居場所を知られたら困るのは同じだと思うのですが。

    • 管理人 より:

      コメントありがとうございます。
      暴力団被害者に関しても、2000年過ぎから閲覧等の制限が認められるようになっています。個別の事例になるため、各自治体での判断になると思われますが、自治体窓口にどのような事案になるのか説明することで認めれられる可能性が高いと思われます。
      https://www.zenboutsui.jp/iken/center/center01.html

      2012年には総務省により、犯罪行為の加害者に被害者の転居先を知られるのを防ぐため住民票の閲覧や交付を制限できる範囲が拡大しています。
      https://www.soumu.go.jp/main_content/000177486.pdf

      それに伴い、相談によりそれに類する犯罪行為に繋がる恐れのある暴力団被害者に関しても、認められる可能性が高いと考えられます。
      https://www.npa.go.jp/hanzaihigai/sakutei-suisin/kaigi18/pdf/s2-1.pdf

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