マイナンバーカードを利用した転入届の特例
マイナンバーカード(住民基本台帳カードを含む、以下同じ)の保有者は、カードを利用して、転出証明書の交付を受けることなく、 引越先の市区町村の窓口で転出証明書の代わりにカードを提示して、 転入・転出ができる制度(転入届の特例)が適用されることになります。
転入届の特例では、便利になることは「転出証明書を受け取り、保管し、次の市町村に渡す」ことが省略されるだけで、ネット上ですべてが完結できるようになるわけではありません。
転入届の特例の仕組み
転入届の特例の仕組みとしては、住民基本台帳ネットワークシステムを使って前市区町村と新市区町村との間で転出証明書情報を送受信をしているため、転出証明書の書面の受け渡しが不要になります。
従来の転出届と転入届
窓口に出向く場合
- STEP1転出届の提出前の住所地の役所で出向き、転出届を提出します。
- STEP2転出証明書の交付前の住所地の役所から転出証明書が交付されます。
- STEP3転入届の提出交付された転出証明書を新住所地の役所に持参し、転入届とともに提出します。
郵送による転出届
- STEP1転出届のダウンロードと印刷前住所地の役所のホームページ上にある転出届をダウンロードし、印刷します。
- STEP2転出届の記入印刷した転出届に必要事項を記載します。
- STEP3本人確認書類の同封本人確認書類(運転免許証、パスポート、在留カード、特別永住者証明書など)の写しを同封します。
- STEP4他の手続き書類の同封そのほか、加入者の場合は国民健康保険証や子ども医療費受給者証など、返信用封筒(郵便切手を張り付けたもの)を同封します。
- STEP5転出証明書の受取前住所地の役所から転出証明書が送られてきます。
- STEP6転入届の提出交付された転出証明書を新住所地の役所に持参し、転入届とともに提出します。
マイナンバーカードを利用した転入届の流れ(転入届の特例)
- STEP1転出届の提出前の住所地の役所で出向き、転出届を提出します。
自身が有効なマイナンバーカードの保有者であるか、同一世帯に保有者がいるのであれば、転出証明書は交付されません。
窓口で「マイナンバーカード若しくは住民基本台帳カードを使った転出届である」の旨を伝えると手続き漏れがないと思われます。 - STEP2転入届の提出新住所地の役所に転入届を提出します。
この手続きで利用されている住民基本台帳ネットワークシステムは、国・全国の県・全国の市区町村が同時に運用しているため、転入届はネットワークシステムが運用している平日(月曜日~金曜日)の午前9時~午後5時までの届出が対象になります。
土日祝の臨時窓口では対応ができない場合があります。 - STEP3マイナンバーカードを提示本人または同一世帯の方がカードをもって、窓口で手続きが必要で、その際にカードの暗証番号の入力が必要になります。
尚、紙製の通知カードでは手続きはできません。 - STEP4マイナンバーカードの継続利用手続きこの手続きで、マイナンバーカードをそのまま新住所地でも継続して利用可能になります。
マイナンバーカードを利用した転入届が可能な期間・できない期間
14日間の届出期間
マイナンバーカードを利用した転入届は、提出した転出予定日から14日を過ぎると、手続きができなくなります。
加えて、転出予定日から30日を経過した後に、転入届を提出した場合も、この手続きはできません。
また、実際に引越しした日(住み始めた日)から14日を過ぎても、手続きができなくなります。
届出期間が過ぎてしまった場合には、通常の引越しの手続きと同様に、転出証明書の交付を受けたうえで転入手続きをすることとなります。
90日を過ぎるとマイナンバーカードが廃止され、再発行は有料
転入届出日から90日以内に「カードの継続利用の手続き」しない場合、カードは廃止されます。そのため、カードを利用した転入届はできなくなります。
カードの失効後、新たにカードを取得希望される場合、住民基本台帳カードを保有していた方は、マイナンバーカードの申請となり、マイナンバーカードを保有していた方は、有料での再申請になるため、ご注意ください。
暗証番号について
新住所地での転入届の手続き時に、カードの暗証番号(4桁の数字)を入力する必要があります。
マイナンバーカードの暗証番号がわからない場合、新住所地でマイナンバーカードの4桁の暗証番号の入力ができずロックされてしまった場合は、役所側で、カードのICチップ内の情報が読み取れないため、新住所地で、転入届とあわせて暗証番号の再設定(変更)の手続きが必要になるため、ご注意下さい。
暗証番号を忘れた場合は、運転免許証等の顔写真付の身分証明書が必要になりますので、前もって用意しておくと便利です。
感染防止を目的とした期限の延長対応について
感染防止を理由とした転出届及び転入届の遅延は、若干許容するよう総務省から各自治体に通知が行われています。
また、マイナンバーの手続きをせず、30日を経過した場合、失効する仕組みになっていますが、実際は60日間は失効猶予があるようで、その期間の対応については自治体の裁量に任せられているようです。
マイナンバーカードを利用した転入届の注意点とデメリット
土日や時間外の対応
新住所地での手続きを土曜日や日曜日に受付を行っている窓口で行った場合、前住所地の市区町村が休業日で、転出届の情報を確認できずに、転入届を完了できないことがあります。
住民基本台帳ネットワークシステムが稼動している時間帯は、通常、平日の午前8時30分から午後5時になります。
前の住所地と連携できなかった場合には、再度、新住所地で手続きが必要になる場合があります。
児童手当、介護認定、国民健康保険の場合
児童手当を受給している場合、介護保険の要介護認定を受けている場合、国民健康保険に加入されている場合では、転出の際に前住所地の役所で手続きが必要となる場合がありますので、該当する場合は、各担当窓口へ事前に確認することをおすすめします。
任意代理人の場合
任意代理人が転入届を行う場合は、マイナンバーの継続利用の手続きができない場合があります。
転入届の特例が適用できず、転出証明書が必要になる場合
- 新しい市区町村への転入届の際に、カードを持参できない場合
- 転出日から14日以上経ってから転出届を提出した場合
- 交付されているカードの有効期限が過ぎている場合
- 個人的な理由により「転入届の特例」による転入を希望しない場合