住民票上の住所、居所、本籍の違い│民法上の定義について

住所とは判例/法令/用語解説
住所とは

住所とは

 住所とは、各人の生活に最も関係の深い一般的生活の場所、全生活の中心地(生活の根拠地)を指すものと解されています。

 住民基本台帳法上の住民の住所は、地方自治法第10条第1項でいう住所と同一であり(住民基本台帳法第4条)、民法第22条と同じく、その市町村区の区域内における各人の「生活の本拠地」をいうことになります。尚、その場所が、生活の根拠地として認められるかどうかは、居住するうえでの客観的な条件が備わっているかどうか、または本人がその場所を生活の中心とする意思があるかどうかを総合的に考慮し判断されると考えられます。

民法
第22条 (住所)
各人の生活の本拠をその者の住所とする。

第23条 (居所)
住所が知れない場合には、居所を住所とみなす。
2 日本に住所を有しない者は、その者が日本人又は外国人のいずれであるかを問わず、日本における居所をその者の住所とみなす。ただし、準拠法を定める法律に従いその者の住所地法によるべき場合は、この限りでない。

居所とは

 居所とは、生活の本拠(住所)とまでは言えないが、多少の期間継続して居住している場所のことを指します。

 具体的には、以下のような場所や状況になります。

・単身赴任先の単身寮
・学生の下宿先などの一時的な住まいの場所
・長期療養中の病院

 民法第23条には、居所について「住所が知れない場合には、居所を住所とみなす。」と規定されていますが、この規定は地方公共団体の住民の住所には適用されず、居所をもって住民基本台帳法上の住所とすることはできません。

住所の概念

住所に関する学説

 また、住所に関し学説は複数認めるものもありには、ありますが、住民はその属する市町村区において、選挙その他の権利を行使し、また住民税その他の義務を負担するものであるため、単数(住所は一つ)に限られると解されております。

住所を認定する基準

 住所の認定については、あらゆる場合に該当する具体的な基準というものはありませんが、各般の客観的居住の事実を基礎とし、これに当該居住者の主観的居住意思を総合して決定することになると考えられます。

以下、関連条文を記載致します。

住民基本台帳法第4条

(住民の住所に関する法令の規定の解釈)
第4条  住民の住所に関する法令の規定は、地方自治法 (昭和22年法律第67号)第10条第1項 に規定する住民の住所と異なる意義の住所を定めるものと解釈してはならない。

地方自治法第10条

第10条  市町村の区域内に住所を有する者は、当該市町村及びこれを包括する都道府県の住民とする。
2  住民は、法律の定めるところにより、その属する普通地方公共団体の役務の提供をひとしく受ける権利を有し、その負担を分任する義務を負う。

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