Q.婚姻届の受付時間(24時間/土日祝/夜間/時間外)を教えて下さい。
概要
戸籍に関する届出(婚姻届・離婚届等)は、夜間・土日祝日・年末年始でも、365日・24時間、時間に関係なく、いつでも提出することが可能です。
夜間や休日に提出する際は、全国の各役場の時間外窓口に持って行きます。
注意事項として、役所(本庁)は時間外受付を行っているのですが、出張所(支所)は時間外受付をしていないこともあります。そのため、出張所で届出を行う場合は、事前に電話で確認しておきましょう。
届出の受付日・提出日が入籍日に
休日夜間窓口で届出が提出された後、平日に届出が受理されたときに、提出日に遡って効力が発生するため、休日夜間窓口で受付をしても、提出日が入籍日になります。
なぜ夜間休日でも対応してくれるの?
届出の日や数時間の違いにより、相続人が変わるなど、戸籍上の権利義務の関係が変わる可能性があり、役所側の営業時間の都合で、当該権利義務関係の成立を侵害しないようにするためになります。
また、各市区町村が夜間休日でも戸籍受領の対応を行うことは、戸籍事務取扱準則制定標準という各市区町村が戸籍の取り扱いを定めるための元になる基準で定められています。
(参考)戸籍事務取扱準則制定標準
第24条(執務時間外の取扱い)
休日又は執務時間外に戸籍の届出並びに不受理申出及び取下げ(以下この条において「届出等」という。)があったときは、これを受領しなければならない。
1日でも大きく変わる戸籍上の権利義務関係
・待婚期間、女性の再婚禁止期間
民法 第733条(再婚禁止期間)
1.女は、前婚の解消又は取消しの日から六箇月を経過した後でなければ、再婚をすることができない。
2.女が前婚の解消又は取消の前から懐胎していた場合には、その出産の日から、前項の規定を適用しない。
・離婚後300日問題、嫡出・非嫡出
民法第772条の規定及び戸籍上の扱いで、離婚後300日以内に生まれた子が遺伝的関係とは関係なく前夫の子と推定されること(嫡出推定)、また推定されて前夫の子となることを避けるために戸籍上の手続きがなされず、無戸籍の子供が生じていることなどをいう。
民法 第772条(嫡出の推定)
1.妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。
2.婚姻の成立の日から二百日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から三百日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。
・提出されることがなかった婚姻届
とあるカップルが役場に婚姻届を提出しに出向きました。
残念ながら、戸籍謄本が添付されていなかったため、役場の職員がそれを理由に受理を拒否し、後日再提出となってしまいました。
その帰り道、奥様になる予定の方が事故に遭い、不幸にもお亡くなりになりました。
本来ならその場で、当日受理されるべきであった婚姻届が永遠に受理できなくなったという話があります。
※ この場合、婚姻届が出ている、出ていないで、相続に影響が発生します。
※ 通常であれば、婚姻後の戸籍の事務処理に必要なため、後日でも提出を求められると思われますが、戸籍謄本がなくても婚姻届自体は受理されるはずです。
受領と受理の違い
(1)夜間・土日祝日に、宿直の方や守衛さんに提出して、「受領」
(1’)平日の窓口の職員に審査を受けて、提出しても、「受領」
※準則中の文言も「受領」となっています。
(2)平日の窓口の奥にいる別担当者が再度審査を行い、問題がなく、「受附帳」という台帳に届出があったことを記入した瞬間に「受理決定」、「受理」となります。
(3)受理後に、「受領の日」に遡って効力が発揮されます。そのため、休日夜間窓口で受付をしても、戸籍に記載される婚姻届出日は、提出日の「受領の日」になります。
(参考)
婚姻届を郵送した場合、婚姻日は発送日ではなく、役所へ届書が届いた日になります。
郵送物の日時指定はできると思いますが、受理日の日付指定はできません。ご留意ください。
受領後、不備があった場合
届出の記載に間違いがなければ、届出日が入籍日となりますが、もし訂正が必要な場合は、確認が翌日や週明けになってしまい、記念日がずれてしまうこともあります。ご留意ください。
受領後、届出に不備があった場合は、役所側は以下のことを行います。
(1)極めて軽微な事象は電話確認の実施
(2)届出人に訂正依頼を行う(再度窓口に訪問など)
(3)極めて重大な不備の場合、「追完届」という別の届出を提出させる。
(4)法的不備のため、不受理処分
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