父の死亡後、母が戸籍の筆頭者に変わるのか
亡くなられた父親が筆頭者であれば、父親が筆頭者のままとなります。住民票の世帯主は変わりますが、戸籍の筆頭者はそのままとなります。
戸籍筆頭者が死亡した際の解説(鎌倉市)
戸籍事例による解説
下記戸籍の事例にて解説を致します。一郎氏は亡くなり除籍されていますが、筆頭者のままになっています。一郎氏の妻の花子は一郎氏の死後、新たに戸籍を作ることなく、一郎氏が筆頭者の戸籍にそのまま入っています。尚、息子の太郎氏は婚姻のため、新しい戸籍を作った際に、一郎氏が筆頭者の戸籍から除籍をしています。
戸籍の筆頭者はインデックスの役目
戸籍には、筆頭者欄と本人欄があり、筆頭者のみ、両方の欄があります。
本人欄には、本人の出生、婚姻、離婚、死亡、養子などが記載されますが、筆頭者欄はそのままとなります。
「戸籍の筆頭者」に関しては、同じ本籍地に複数の戸籍があった場合に識別する際の、戸籍のインデックスに過ぎないため、本人が死亡しても、そのままになります。尚、戦前の戸籍では、家長が亡くなると、家督相続といい、戸籍の改製が行われましたが、現在の戸籍制度では、そのような改製はありません。
母が戸籍の筆頭者になるためには
1つの戸籍に記載されている構成員の全員が、死亡、婚姻、離婚、養子縁組、分籍、転籍などの理由で除かれた(除籍された)ときは、戸籍は、除籍簿として保存されます。
そのため、父親の死亡後、母親が筆頭者になるためには、母親が現在の姓を名乗る再婚、旧姓に戻る「復氏届」を出した場合は、母親が筆頭者である新しい戸籍が作られます。
亡くなった両親の戸籍の本籍地を移す方法
両親が双方ともに死亡されている場合
転籍届には筆頭者及びその配偶者の署名押印が必要になります。そのため、両親がともに死亡されている場合は、本籍地を移すことはできません。
筆頭者が死亡し、配偶者である妻(夫)が生きている場合
筆頭者が亡くなった場合でも、配偶者である妻(夫)が生きている場合は、本籍を移すことが可能です。転籍届用紙の「本籍」の欄の「筆頭者氏名」はそのまま亡くなった筆頭者の方の氏名を記載し、「届出人欄」は配偶者の方の署名・押印のみで届け出ることができます。
両親が死亡し、未婚の子どもだけの場合
転籍届には筆頭者および配偶者の署名・押印が必要になるため、子どもだけで「転籍届」を提出することはできません。
しかしながら、未婚の子どもが成人することにより「分籍届」を提出し、自身が筆頭者となる単独の戸籍を新たに作ることが可能となります。尚、一度分籍すると元の戸籍に戻ることができなくなるため、注意が必要になります。
亡くなった人の戸籍謄本の取り方
戸籍謄本に載っている方の直系の血族(祖父・祖母・父・母・子・孫など)および配偶者は、取得することができます。
自分の戸籍謄本を取得し、それを亡くなった方との関係を示す書類として使用し、故人の戸籍謄本を取得します。
郵送で取り寄せる場合は、取り寄せる人の戸籍謄本はコピーでも取得が可能な役所が多いようです。
死亡届が戸籍に反映されるまでの期間は「1~2週間」
ご家族が亡くなられた後、最初にするべきことは、死亡届の提出になります。
死亡届は、故人の本籍地、届出人の所在地(住所地)、死亡地のいずれかの役所に、死亡後に届出義務者が、死亡の事実を知った日から7日以内(国外にいる場合は3カ月以内)に提出します。
死亡届が戸籍に反映されるまでの期間は、死亡した人の本籍地に提出した場合は、死亡届書の内容に特に問題がなければ約1週間、その他の役所に提出した場合は約2週間かかります。
そのため、本籍地に提出した方が、死亡届が早く反映されることになります。
戸籍法 第八十六条
死亡の届出は、届出義務者が、死亡の事実を知つた日から七日以内(国外で死亡があつたときは、その事実を知つた日から三箇月以内)に、これをしなければならない。
○2 届書には、次の事項を記載し、診断書又は検案書を添付しなければならない。
一 死亡の年月日時分及び場所
二 その他法務省令で定める事項
戸籍を利用する死亡後の手続き
死亡届が受理されると、死亡した人の戸籍謄本にも死亡の事項が記載されます。それから当該戸籍謄本をもとに、死亡後のさまざまな手続きを行うことになります。
なお、戸籍謄本を使用する主な手続きには、以下のものがあります。
・健康保険の埋葬料や葬祭料の申請
・遺族年金の申請
・生命保険の請求
・銀行預金の名義変更
・証券口座の名義変更
・不動産の所有権の名義変更
・自動車、バイクの所有権の名義変更
・遺言書の検認、開封
・相続税の申請
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