登記簿謄本と履歴事項全部証明書の違い
A.登記簿謄本は平成元年の商業登記法の改正以前の呼び方で、現在は「履歴事項全部証明書」や「現在事項全部証明書」という呼び方になっています。
歴史から解説
以前は、会社の登記は紙でできた「登記簿」に記載して行うこととなっており、この「登記簿」の全部を謄写したものを「登記簿謄本」といい、一部だけを謄写したものを「登記簿抄本」と呼んでいました。
1989年(平成元年)に行われた商業登記法の改正により、現在では全ての登記所がコンピューター化され、コンピューター内のデータで登記簿を処理(登記事項の経緯を記録)するようになっています。
すなわち、従来の登記簿謄本に代えて、登記事項証明書として、登記事項の経緯全てをプリントアウトしたものが「履歴事項全部証明書」で、登記事項ののうち現在有効な事項のみをプリントアウトしたものが「現在事項全部証明書」になっています。
尚、商業・法人登記情報のコンピュータ化前の閉鎖登記簿も、管轄する登記所に請求することで、確認することができるようになっています。
登記事項証明書
以下の4種類があります。
(1)現在事項証明書
以下の直前のものを記載した書面に認証文を付したものです。
(ⅰ)現に効力を有する登記事項
(ⅱ)会社成立の年月日
(ⅲ)取締役、代表取締役、重要財産委員、監査役、委員会委員、執行役及び代表取締役の就任の年月日
(ⅳ)会社の商号及び本店の登記変更に係る事項で現に効力を有するもの
(2)履歴事項証明書
従前の登記の謄本に相当するものであり、現在事項証明の記載事項に加えて、当該証明書の交付の請求のあった日の3年前の日の属する年の1月1日から請求の日までの間に抹消された事項(職権による登記の更正により抹消する記号を記録された登記事項を除く。)等を記載した書面に認証文を付したものです。
(3)閉鎖事項証明書
閉鎖した登記記録に記録されている事項を記載した書面に認証文を付したものです。
(4)代表者事項証明書
資格証明書に代替し得る証明書であり、会社の代表者の代表権に関する事項で、現に効力を有する事項を記載した書面に認証文を付したものです。
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