【ニュース】所在不明の子供が全国141人。虐待DV、乳幼児健診未受診も原因

住民票ニュース

【ニュース】所在不明の子供が全国141人。虐待DV、乳幼児健診未受診も原因


概要

2014年11月13日、厚生労働省による初めての調査(2014年10月20日時点)で、住民票はあるものの、住民票の住所地に居住実態がなく、乳幼児検診を受けていなかったり学校に通っていないなど、全国の自治体が所在を確認できない18歳未満の子供が、全国22都道府県で141人いることがわかりました。

所在不明児童141人の内訳

(1)男子75人・女子66人。
(2)年齢:未就学児が61人(3歳17人、4歳15人等)、小学生が40人、中学生27人、それ以上13人
(3)都道府県別:大阪が27人、兵庫26人、神奈川16人、東京14人(全国22都道府県)
(4)海外へ出国72人、残り69人は国内に居住可能性
   72人は外国人などの家庭の子供で、親族の話から海外に出国した可能性がある
(5)自治体から入国管理局への照会で出国を確認できたケース:約4割
(6)同一自治体の母子保健や児童手当などの部署間で情報を突き合わせ、所在把握できたケースも多い
(7)4人が虐待の恐れ
   国内にいると想定される69人のうち、4人が母親の妊娠時から支援が必要として関わっていた
   状況などから虐待の恐れがあり、ドメスティックバイオレンス(DV)などから逃れるため住民票を
   出していない例もあるとみられ、自治体が警察に相談するなどして居場所の確認を急いでいる。

調査のきっかけの事件

2014年5月に神奈川県厚木市で、男の子(死亡当時5歳)が白骨化した遺体で見つかった放置死事件が発覚。児童相談所から「中学に入学するはずの男の子が学校に来ない」と警察に通報があり、死後7年以上が経過していたことが判明しました。
この調査は、このような子供が虐待を受けて死亡する事件が後を絶たないことから、虐待のリスクが高い子供を早期に把握し、支援に繋げるため、厚生労働省が初めて行いました。

2006年秋:神奈川県厚木市教育委員会が小学校入学の案内状送付
2007年1月:当時5歳の理玖(りく)君が食事や水分を十分与えられず衰弱死
2007年4月:理玖(りく)君小学校へ入学せず
2014年5月22日:神奈川県厚木児童相談所が中学校へ入学するべき生徒が入学してこない旨を警察に通報
2014年5月30日:父親の居所を突き止める。同日、アパート「ファミールハイツ」の一室で白骨化した遺体を発見

政府、厚生労働省の動き

所在不明の子供の虐待事件などを受け、厚労省は4月から調査を開始。
厚生労働省は、住民登録があるのに乳幼児健診が未受診だったり、学校に通っていなかったりして所在が確認できない18歳未満の子供について所在不明児と定義。
自治体に通知を出し、教育委員会などと協力して調査するよう指示していました。

所在不明児童は、2014年5月段階では2908人いたが、海外への出国記録や関係部署の情報共有を進めるよう指示しており、自治体による追跡調査で9割を超える2767人の所在が確認できました。
しかし、この確認できた子供の中にも健診を受けていないなど虐待のリスクがある子どもが93人含まれていました。

厚生労働省は、「子供の数が多い都市部に多いが、詳細はまだ分析できていない」とコメントし、また、児童手当などの住民サービスを受けながら住民票がない子供を見つけたら、保護者の許可を得て転出元の自治体に連絡するよう、近く各自治体に通知を出す方針とコメントしている。

子供が所在不明になる要因

(1)住民票の転出入届(転出入手続き)を自治体に提出しないまま転居しているケース
  DVや虐待の被害者で、加害者に住所などの情報が漏れることを避けるため、
  親が住民票を移さない場合

(2)海外に出国するケース
  日本と他国の二重国籍の未就学の子供で、日本国籍以外で出国すると、
  情報が入ってこないので対応できない制度上の問題がある。

自治体の対策

・自治体間/自治体部署間の情報共有の徹底
 (転居先の自治体で母子保健や児童福祉に関するサービスを受けている場合があるため)
・乳幼児健診の漏れを防ぐ
・子供の予防接種の説明会後に、出産祝金の商品券(1万円分)を母子に対面で手渡す(奈良県宇陀市)
・母親同士で連絡先を交換交流(親子が孤立しない、ママ同士もつながることができる)

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