自動車の保管場所証明等事務に係る「自動車の使用の本拠の位置」の解釈基準について

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自動車の保管場所証明等事務に係る「自動車の使用の本拠の位置」の解釈基準について

平成26年版 平成29年版 

平成15年版「自動車の使用の本拠の位置」の解釈基準冒頭

警視庁交通部長   殿
各道府県警察本部長 殿
(参考送付先)
各管区警察局広域調整部長

警察庁丁規発第74号
平成15年10月15日
警察庁交通局交通規制課長

自動車の保管場所証明等事務に係る「自動車の使用の本拠の位置」の解釈基準について

 自動車の保管場所の確保等に関する法律(以下「保管場所法」という。)に基づく、登録自動車に係る保管場所証明並びに登録自動車及び軽自動車に係る保管場所の届出に関する事務については、「自動車の保管場所の継続的確保を図るための制度等の運用について」(平成3年5月10日付け警察庁丁規発第52号)等により運用しているが、平成15年9月19日の閣議において、全国規模で実施すべき規制改革事項の一つとして、自動車の保管場所に関する基準の明確化について報告されたところである。これに関し、「自動車の使用の本拠の位置」の解釈基準は下記のとおりであるので、事務処理上遺憾のないようにされたい。

1 自動車の使用の本拠の位置

 自動車の使用の本拠の位置とは、原則として、自動車の保有者その他自動車の管理責任者の所在地をいい、具体的には、自動車を運行の用に供する拠点として使用し、かつ、自動車の使用の管理をするという実態を備えている場所であるか否かで判断す
ることとなる。

 なお、道路運送車両法における「自動車の使用の本拠」についても、「自動車を運行の用に供する場合において当該場所を拠点として使用し、かつ、点検整備、運行管理等自動車の使用を管理する場所である。通常は、自動車の使用者の住所がそれに該当するが、店舗、事務所等他の場所であってもその場所において前述のような機能が営まれていれば、その場所が使用の本拠となる。

 しかしながら、そのような機能が果たせない自動車の置場、例えば単なる貸し車庫等は、保管場所とはなっても使用の本拠には該当しない。」と解されている(「自動車の使用の本拠の位置について(回答)」(運輸省自動車交通局技術安全部管理課長から警察庁交通局都市交通対策課長あて平成7年8月15日付け自管第52号))。

2 自動車の保有者

 自動車の保有者とは、「自動車の所有者その他自動車を使用する権利を有する者で、自己のために自動車を運行の用に供するもの」をいい(保管場所法第2条第2号、自動車損害賠償保障法第2条第3項)、例えば、自家用自動車の所有者、自動車運送事
業者、レンタカー業者、リース形態の場合の自動車の賃借人等は、通常これに該当する。

3 自動車の管理責任者

 自動車の管理責任者とは、自動車の保有者から当該自動車について一定期間継続して管理を委託され、その運行に関して責任を負う者をいい、例えば、自動車の保有者から当該自動車を別荘で管理する旨依頼された別荘管理人は、通常これに該当する。

4 「使用の本拠の位置」の認定に係る具体的取扱い

(1) 自然人に係る具体的取扱い

ア 住民登録がなされている住所の場合

 自動車の保有者その他自動車の管理責任者(以下「保有者等」という。)の住所が住民登録されている場合には、通常、使用の本拠の位置として認められるが、住民登録の事実のみで、実際に居住している実態がなく、当該自動車の点検整備、運行管理等その使用を管理する機能を有していない場合は、当該住所地は、使用の本拠の位置には該当しない。

イ 住民登録がなされていない転居先等の場合

 保有者等が転居したばかりで、まだ住民登録されていない場合等、そこを生活の本拠として実際に自動車を使用しており、かつ、当該自動車の点検整備、運行管理等その使用をそこで管理している実態があるときは、使用の本拠の位置として認められることもあり得る。

ウ 別荘の場合

 保有者等が、夏季などに長期間継続して又は頻繁に別荘で生活している場合には、当該別荘が、自動車を使用して営む生活の事実上の拠点となっており、かつ、当該自動車の点検整備、運行管理等その使用を管理する機能を有しているときは、その所在地が使用の本拠の位置として認められることもあり得る。

エ 個人事業者の事務所等の場合

 個人事業者の事務所や店舗は、その者の住所又は居所ではないが、業務上の活動の拠点であり、自動車もこれらの事務所等を拠点として使用され、そこで点検整備、運行管理等がされる場合がある。この場合には、そこで実際に事業が行われており、かつ、当該自動車は当該事業のために使用されていて、単に通勤等に使用されるものではないときは、これらの事務所等の所在地が使用の本拠の位置として認められることもあり得る。

(2) 法人に係る具体的取扱い

ア 法人登記がなされている営業所の場合

 自動車の保有者が法人である場合に本店・支店として登記されている営業所は、通常、使用の本拠として認められ得るが、登記の事実のみで、実際に営業活動が行われている実態がなく、当該自動車の点検整備、運行管理等その使用を管理する機能を有していない場合は、当該営業所の所在地は、使用の本拠の位置には該当しない。

イ 法人登記がなされていない営業所の場合

 法人登記がなされていない営業所であっても、そこを営業活動の拠点として実際に自動車を使用しており、かつ、当該自動車の点検整備、運行管理等その使用をそこで管理している実態があるときは、使用の本拠の位置として認められることもあり得る。

ウ 社員の個人宅等の場合

 パソコン等の情報通信手段等を利用し、自宅や分散された単位オフィス(サテライトオフィス)等を職場として業務を行うテレワークの進展等により、法人の保有する自動車について、当該法人の社員の個人宅等を「使用の本拠の位置」とする申請等がなされることがある。

 この場合には、そこを業務上の活動の拠点として実際に自動車を使用しており、かつ、当該自動車の点検整備、運行管理等その使用をそこで管理している実態があるときは、当該社員が当該自動車の管理責任者として認められ、かつ、その場所が「使用の本拠の位置」として認められることもあり得る。

5 留意事項

(1) 車庫飛ばし事案の防止

 個々の申請・届出に係る「使用の本拠の位置」の認定に当たっては、いわゆる車庫飛ばし事案を防止する観点から、具体的事情に照らし、必要に応じ、現地を調査し、居住又は業務の実態、自動車の使用状況等について申請者等から聴取し、又は資料の提出を求めることなどに配意すること。

(2) 保管場所証明書の申請者の住所

 自動車の登録申請書には印鑑証明書の添付を要する(自動車登録令第16条)ことから、登録申請書に記載する申請者の住所は、印鑑証明書に記載されたものと同一でなければならない。このため、保管場所証明書に記載する申請者の住所についても、住民登録・印鑑登録に係る住所(以下「登録住所」という。)と同一であることを要する。

 したがって、保管場所証明書の申請に当たっては、登録住所が「自動車の使用の本拠の位置」であるか否かを問わず、「住所」欄には登録住所を記載するよう指導すること。

(3) 教養の徹底

 自動車の保管場所証明等事務に係る「使用の本拠の位置」の認定については、個々の申請・届出に係るそれぞれの事情を考慮の上で行うことは当然であるが、都道府県警察間又は警察署間において運用に不当な差異を生じさせ、一部の国民に不利益を与えることのないよう、保管場所業務担当者等職員への教養を徹底すること。

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