住居表示と地番と住所の違い│調べ方と未実施の理由

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地番と住居表示の違い

住居表示と地番の違い

 住居表示は建物を特定するための表示制度で、地番は土地を特定するための表示制度になります。

地番を使用して表示
住所の中に「番地」が入ります。
(例)〇〇県〇〇市〇〇町1丁目4番地1
住居表示を使用して表示
住所の中に「番、号」が入ります。
(例)〇〇県〇〇市〇〇町6丁目1番2号

地番とは

 地番は、明治時代に土地を整理し公図を作成した際に、1筆ごとの土地に番号を付与したものです。

 区画整理により換地処分が行われた土地では、”地番”=”住所”になっている地域もありますが、住居表示が実施済みの地域でも住所(住居表示)とは別に地番があります。

 また、1つの土地に、数筆の土地があれば、1つ1つに地番は付与されており、空き地や田畑などの建物が建っていない土地にも地番は付与されています。

地番での表示のデメリット

 住居表示が導入されるまでは、建物も地番で表していましたが、地番は不都合が多い表示方法で、 郵便や宅配の配達、災害の連絡などの行政サービス、その他日常生活においても支障をきたす要因となっていました。

 例えば、地番で建物の住所を表示する場合、十数軒から数百軒で同じ番地を使う地域があったり、同じ地番の中に複数の建物があったり、番号が飛び飛びになったり、道路を1つ隔てただけで番地が極端に異なったり、 同じ町内の隣同士の土地でも小字(字)を跨ぐと連番でなくなることもあり、100番台の地番の土地と1桁の地番の土地が隣り合っていることもあります。

地番が飛び飛びになっている理由

 地番が作成された時期は、古い場合は明治時代にさかのぼる事になるため、作成時は地番が番号順に並んでいたとしても、分筆と合筆が繰り返されることにより、番号の飛びや欠番が発生することになっています。

住居表示とは

 住居表示は、地番の不都合な点を解消させるために、住居(建物)に対し新しく番号を割り振り、住居の所在(住所)を分かりやすく表した住所表示制度になります。そのため、住居表示が実施されている地域でも、空き地や田畑の土地(筆)には住居表示は行われていません。

 住居表示は、昭和37年(1962年)5月10日に「住居表示に関する法律」が公布・即日施行されました。

 地番の不都合な点に対し、住居表示で住所を表示する場合、土地の地番を住所として使用せずに、分かりやすく町の境界線を区切り、建物に対して一定の基準で新しい番号をつけることで、町全体の整理をすることが可能になりました。

 インターネットでのGoogleマップや郵便などの配達先は住居表示で表示され、住民登録も住居表示で通常行われています。

住居表示の決め方

 町の区域を道路、鉄道、河川等の恒久的な施設をもって、いくつかの街区(ブロック)に分け、それに対し番号を付けます。

住居表示の基礎番号

「番」に当たる部分で街区符号と呼びます。
街区の周囲に概ね10m間隔で基礎番号を付けます。
建物の主な出入口が道路に面している場所の基礎番号を住居番号とします。「号」に当たる部分です。
※制度上、場所によっては複数の建物で住居番号が重複します。

国土地理院の住居表示住所を調べるサイト

以下のように地域ごとの基礎番号を調べることができるサイトです。

住居表示の基礎番号の事例

電子国土基本図(地名情報)「住居表示住所」 | 国土地理院

大字と小字の意味と違い

 大字は、明治時代の市町制度の実施時に、従前の村の名前を残した表現になります。小字(字)は、大字の中にある地区を表していました。

 字は平成の大合併や市制の変更などで、消えてしまったものもありますが、登記簿、町名、バス停の名前としてもまだ多く残っています。

自治体ごとの住居表示制度の導入

 住居表示制度の導入については各自治体の判断に委ねられおり、導入している自治体の中でも、地番のままでも不都合が少ない地域では、住居表示を導入していない地域も多くあります。

 住居表示は、多くの政令指定都市で導入されていますが、京都市のみ導入がされていません。また、東京23区でも新宿区は一部の区域で住居表示が未実施で、国立市や日野市、調布市は制度そのものを導入していません。

建築後に住居表示は行われる

 物件広告の住所は「○○市○○町○丁目○番○(地番)」などのように地番で表されています。これは物件が建つまでは地番しかないことから、不動産登記は地番で行うことが理由になります。建物が建った後に、申請を行い住居表示が決定されると、物件広告の住所は住居表示に訂正されることになります。

法務局での登記請求は地番が必要

 法務局で登記簿等の請求時、役所で固定資産税関係の証明書などの請求時には、住居表示の住所ではなく、地番での住所で請求する必要があります。
ただ、法務局や役所には住居表示や地図から地番を探すことができる対応表や地図が事前に準備されているため、住居表示の住所しか把握していない場合でも、窓口で調べ方を教えてもらうことができます。

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